税金滞納は「見えない抵当権」

  Aさんに融資しているB銀行は、Aさん名義の不動産に1番抵当権を設定しています。

  おそらくB銀行は1番抵当権を設定したことで、融資金回収について安心し切っていることでしょう。

  ところが、Aさんには多額の未払相続税があるのです。

  B銀行はこのことを知りません。

  まもなくしてAさんは銀行への返済も困難となり、同時に未払相続税について税務署による滞納処分が開始されることになります。

  税務署がAさんの土地を差押えました。

  さて、どのようになるのでしょうか。

  実は法律には「国税優先の原則」という考え方があり、たとえ抵当権の登記がなくとも、国税は他の抵当権に優先することがあるのです。

  Aさんのケースで、B銀行の抵当権の設定日よりも、未払いの国税の法定納期限等の方が1日でも早ければ、税務署がB銀行より優先的に回収できることになります

  なお、法定納期限とは、所得税なら翌年3月15日、現行の相続税なら相続開始から10ケ月後です。

  Aさんに未払相続税があることに気付かなかったB銀行に過失ありとなります。

  税金については、たとえ抵当権が登記されていなくとも、その税金の法定納期限にその税額相当の抵当権の登記がされたのと同じと考えて下さい。

  いわば「見えない抵当権」が登記されているのです。

  そして、その「見えない抵当権」は納税により消滅するのですが、納付が完了しなければ、その「見えない抵当権」は存在し続けます。

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